今週の名言・一言・つぶやき
「社会のために役立ちたいという志を持っている経営者が成功する。(牛尾治朗:ウシオ電機(株)の設立者、2023.6月没)」

故牛尾治朗氏は1980年代、第2次臨時行政調査会を指揮した土光敏夫氏(ミスター合理化とも称され国の行政改革に取り組む)と出会う。「(官尊民卑は)官が尊大だからそうなるのではなく、官に取り入ろうとする民の卑しい心が官尊民卑を招くのです」と教えられ、薫陶を受けた語っている。牛尾さんの真骨頂は財界人生の後半、自身の原点を忘れず、「民卑」にならないよう民の底上げに尽くした点だ。日本生産性本部の前田和敬理事長は「時に政治家とも深く関わるが常に是々非々。逆に信頼された」。陽気な人柄と教養で政官に屈しなかった。

今週の名言・一言・つぶやき
「成功した人はみな声が大きい。(斎藤一人:実業家、銀座まるかん創業者)」

【スポーツの秋】人間は最大の力を出していても、全ての筋力が発揮されるわけではない。100%出し続けると身体が壊れてしまうため、腱や筋肉が損傷しないよう脳がブレーキをかけているという。ただ大声を出すとその制限が、やや解除され、約5%~7%の筋出力アップをもたらす可能性があり、これをシャウト効果というそうだ。このためかやり投げ競技等運動中に大声を発する場面をしばしば目にすることがある。コロナ感染対策緩和後、スポーツ、イベントなどで大声を出す機会が増えている。古武術家も曰く「あ」「う」「お」より「え」や「い」がいいとも。また、声を出すことはストレス解消にも役立つとか。

今週の名言・一言・つぶやき
「初めて自分で自分をほめたいと思います。(有森裕子:1996年のアトランタ五輪女子マラソンで銅メダル受賞時の言葉)」

有森裕子とのインタビュー記事(朝日新聞2023/8/23付け)から、『「自分で自分をほめたいは、インタビュー中に自分に言って自分で納得するための言葉でした。誰かに何かを伝えようとしたものではないです」と涙ながらに語った姿は感動を呼んだ。「自分で自分をほめたいという言葉は歌手高石ともや(フォーク)さんの歌詞の引用です。ただ勘違いされている方もいますが、私は自分で自分をほめてあげたいとは言っていません。自分に対して何かをしてあげるなんて言い方をしないです。誤解が広まったのも、たぶん自分をほめたいは日本人の感覚の言葉ではないんでしょうね。仏教圏の慈悲文化と、キリスト教圏の奉仕文化の違いがありそうです。あの言葉の元になったのは高石ともやさんの〔自分のことを分かっているのは自分自身だから、他人にほめてもらうんじゃなくて、まず自分で自分をほめることが大事だよ〕という言葉です。日本だとほめたいはずうずうしく、他人に施すあげたいが自然なのでしょう。アトランタ以降に自分で自分をほめたいと思ったことはありません。あんな出来事は一生に1回。こんな言葉をしょっちゅう使っていたら、単なるなまけものになっちゃいます』と。この言葉はその年の流行語大賞に選ばれた。

今週の名言・一言・つぶやき
「 勝者は勝つべくして勝ち、敗者は負けるべくして負ける(大山倍達:空手家、1994年没)」

永世棋聖の米長邦雄棋士はベテランになって、若年の羽生善治さんに名人位を奪われた。勝てないわけを講演会で語っている「年配棋士は、得意の戦型を用いて勝った記憶が忘れられない。もう通用しなくなっているのに…」と。成功体験から抜け出せないと次の成功に繋がらないようだ。

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「ヒーローになるためには、ピンチが必要なのです。(中谷彰宏:著述家)」

ワールドカップで日本がドイツに逆転勝利。決勝点を挙げた浅野拓磨選手は、「今日の試合だけに関したら、ヒーローになれたかな。4年前から一日も欠かさず、こういう日を想像してきた」と。しかし、今回のメンバー入り後も浅野不要論が絶えず、右膝の靱帯断裂のケガで、出場辞退を求める声もあった。何度も浮き沈みを経験している快足ストライカーは言った。「ヒーローになった瞬間は、一瞬で終わる。(結果が出なければ)またズドーンと落とされる」「僕はドラマチックがよく起きると自分でも思う。でも、今日のドラマチックは終わった。また次へ向けて準備したい」と。12月2日のスペイン戦でもヒーローになってください。

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「青春とは年齢ではない。好奇心と情熱さえあれば、その人はいつも青春だ。(サミュエル・ウルマン:米国の実業家・詩人、1924年没)」

海洋冒険家の堀江謙一さんが、ヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断に成功、世界最高齢での偉業を達成。「精神と肉体は完全燃焼しましたが、青春まっただ中でこれからも頑張ります」と。今後の目標について「若輩ではございますが、これからも大器晩成を目指して頑張ります」とおどけて見せた。堀江さんは、まさに青春と年齢は関係ないことをあらためて教えてくれた。

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「プロとして成功するために必要なことは、とんでもない特徴を1つ持つこと(高津臣吾:プロ野球監督)」

昨年最下位のヤクルトが、クライマックスシリーズ(CS)と日本シリーズに向かって、高津監督は「チーム、選手、スタッフはもちろん、ファンのみなさまと絶対に崩れない一枚岩となって勝ち抜いていきたいと思います。選手は頑張ってくれるはずです。絶対大丈夫です」と。また「言葉を大切にして、選手たちと接したい」と明言、こんな言葉も口にしている。「言葉は武器だ」。監督は、日本シリーズで優勝し言実行した。

今週の名言・一言・つぶやき
「私の人生のテーマは「悔いのない人生」です。やらずに後悔するくらいなら、やってみて失敗した方が断然良い。むしろ失敗をたくさんして、それを糧に成長してやろうという発想をずっと持っています。(似鳥昭雄:(株)ニトリ創業者、ニトリHD会長)」

コロナ禍で34期連続増収増益を実現している企業がある。先週紹介した家具小売業大手の「ニトリ」だ。似鳥会長は「給与だけでなく、社員への教育にもドンドンおカネをかけています。上場会社の社員への教育投資は、1人年間で5万円弱だとされていますが、ウチはその5倍以上、年間で26万円ほど投じています。人材が命であり、今後も教育投資におカネを惜しむつもりはありません」と。

今週の名言・一言・つぶやき
「人間は、現状を否定することからのみ、成長できます。(似鳥昭雄:実業家、ニトリホールディングス会長)」

「お、ねだん以上」で知られ、家具・インテリア用品販売のニトリの創業者似鳥氏は、小学校の頃自分の名前を漢字で書けなかったという。営業も接客も整理整頓も全部苦手。「注意力が散漫なんで、人の言っていることをずっと聞けないんです。違うことを考えちゃうとか」。実は数年前、発達障害だということが分かったという。苦手を抱えながら、それでも、一代で売上高7千億円の企業を築き上げた。妻は「あなたは誰でもやれるようなことはやれないで、誰もやらないことがやれる」と。毎年9月は障害者雇用支援月間だがニトリは障害者雇用に積極的だとか。

今週の名言・一言・つぶやき
「人の心にはいろんな穴が開いているんだな。埋められない穴、埋められる穴、埋めたくない穴。そして、人と人が助け合おうとすると時に、それを阻む穴……(「それでも、陽は昇る」真山仁著から)」

この小説は、神戸と東北 二の被災地をつなぐ震災三部作の完結編。阪神淡路大震災で被災し妻子を亡くした男が、東日本大震災の被災地小学校へ応援教師として赴任。その後、NPO法人「震災伝承プロジェクト」の活動に奮闘。震災で起きたことを語り継ぐ活動を通じて、被災地復興の物語。震災後の人々にふりかかる傷、苦痛に一番必要なものが何かをこの小説は語る。著者は、復興については成功談だけでなく「”失敗”を伝えていくことの必要性、災害経験者が伝えられる何よりの有益な情報は”失敗談”」だと語る。