めでた


歌詞
(前唄)めでためでたの
(本唄)若松様よ枝も栄ゆる葉もしげる
譜面
 唄:住菊三様
高山市花里町
笑顔が素敵な高貴
(こうき)
高齢者です
 

 飛騨地方には、昔からお祝いの席や宴会の席等で乾杯の後、めでたを出席者全員で唱和をする風習が今も残っています。めでたの唱和が終わるまでは自席を離れることが許されず、お食事を堪能する時間となります。
 めでたの後は無礼講となりお互い酒を酌み交わします。
 この祝い唄は、昔木材を溜めていた「みなと」と呼ばれた場所で人夫達が酒を酌み交わす時に唄われはじ め、その後金森二代目城主可書(ありしげ)の下屋敷を完成させた際、棟梁が披露したこの唄が「めでた」と 名がつき、今なお伝承され続けています。

 「めでた」の節と歌詞について

 高山のめでたには、おおまかに2種類の節があります。一つは保浅流と呼ばれ、昭和40年代以降に、民謡師の保浅太郎氏が宴席などで一般に広めたという話があります。もう一つは、民謡調のもので、民謡師の小坂氏によって歌い継がれました。この節回しは微妙に保浅流とは違います。

 旧高山市で歌われるものを「高山めでた」と呼ばれ、それ以外に「朝日めでた」「丹生川めでた」「清見めでた」など、地域ごとに節回しが微妙に違いますが歌詞はほとんど同じようで、地域だけでなく人に人によっても違いがあります。
 一方、飛騨市は、古川町の「若松様」、神岡町、河合町の「みなと」宮川町の「めでた」があります
          
 歌詞 

「高山めでた」 めでた めでたの(前唄)
        若松さまよ 枝も栄ゆる 葉も繁る(本唄:全員で唱和)
「返し(唄)」  葉も茂りゃこそ若松様という
「納め(唄)」   納め納めはいく手もあれどこよい納めはよい納め

飛騨市では地域ごとに節回しが異なり、「古川めでた」「神岡めでた」と呼ばれたり「若松様」「みなと」とも言われております。

「若松様」 若松さまよ 枝も栄ゆる 葉も繁る(引続き全員で次の「ぜんぜのこ」を合唱)
「ぜんぜのこ」 めでた めでたの 若松様よ 枝も栄える 葉も茂る ツイタトテ ナントセズ ゼンゼノコ コリャ マンマノコ
※意味は、「ツイタトテ」は尽きても、「ゼンゼノコ」はお金、「マンマノコ」とはご飯のことで、お金やご飯が尽きてしまっても…という意味。貧乏してお金がなくなっても、何とか暮らしてゆけるという人情深い土地柄を歌ったものです。

「神岡めでた」 めでためでたの 若松様よ アーコリャコリャ 枝も栄ゆる 葉も茂る エ
「船津めでた」 さてもめずらし お太子桜 元は吉田の 常蓮寺 枝は釜崎 葉は朝浦(あそら) 花は船津の 里        (まち)に咲く

宮川町「めでた」、「坂下めでた」
       めでためでたの 若松様ヤアレヨー アー枝も栄える 葉もしゅげる  葉もしゅげるヤーレヨ アア 枝       も栄える  葉もしゅう しゅげるヨー ジャンとこい ジャンとこい  さかずきゃ のこされ

河合町では「みなと」「河合めでた」などが歌い継がれていまが、角川節・稲越節など節が多岐に分かれています。