今週の名言・一言・つぶやき
「知恵ある者の冠はその知恵である、愚かな者の花の冠はただ愚かさである。(旧約聖書)」

先月20日藤井聡太八冠が初の失冠。叡王戦を伊藤匠七段が制した。師匠の杉本八段は「藤井の失冠というよりタイトルホルダーが1人増えたと考えるべきでは。これを機に将棋界が盛り上がるし、藤井七冠のモチベーションも上がるだろう」と受け止め、「本人には『また八冠に挑戦できるね』と声を掛けたい」と。昨秋、永瀬王座が藤井七冠に敗れた時 「人間をやめなければならない。そして藤井さんは人間ではない 」と藤井棋士の強さを語ったが、永瀬九段!藤井さんは今人間に戻りましたヨ。

今週の名言・一言・つぶやき
「番付は考える力のランキングです。横綱とは、いちばん考える力士です。能力があれば、誰でも関脇にはなれます。逆に、考える力がなければ大関にはなれず、関脇止まりなんです」(元横綱稀勢の里、現在二所ノ関親方)」

大相撲夏場所を12勝3敗で初優勝した小結大の里(23)。「優勝はうれしいけど、最終的な目標はここではない。さらに上へ、上へと駆け上がりたい」と。大の里は昨年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。所要7場所での初優勝は、幕下付け出しでは輪島の15場所を大きく更新する最速記録だった。その大の里、千秋楽を前にして親方(元横綱稀勢の里)から掛けられた言葉は、「優勝しても喜ぶな」だった。これにはふたつの意味があると思われる。①戦ったばかりの相手が眼前にいる。優勝して喜ぶ姿は、相手に対して非礼ともなる。②この優勝がゴールでもなく、目的でもないことだ。そう親方やファンは年内の大関いや横綱を期待している。角界の未来を担うスターの誕生だ。

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「(昭和の大横綱・大鵬が持つ新入幕の連勝記録の11連勝に並んだ時のコメント)うれしいけど、記録よりも記憶に残る力士になりたい(尊富士:相撲力士)」

そして、新入幕優勝は、1914年(大正3年)以来、110年ぶりの大快挙。大銀杏が結えない“ちょん髷”優勝は史上初。殊勲、敢闘、技能の三賞総なめのおまけまでつきだった。「昭和のお相撲さんはケガをしても出ていた。靭帯損傷ぐらいは大したことはない。土俵に上がれば、スポーツというより男の勝負。土俵に上がれば、何かが生まれる。ケガを忘れて土俵に上がりました」と。優勝インタビューで「相撲は好きじゃないが、応援してくれる人のために続けられる。それが幸せ」とも。24歳の若武者は、男の勝負で、記録にも記憶にも残した。アッパレ!。

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「敗北から学ぶのなら、本当の意味で負けたのではないのだ。(ジグ・ジグラー:米国、作家、2012年没)」

棋士の藤井聡太竜王が八冠を防衛、タイトル戦負けなしの19期連続獲得で大山康晴十五世名人に並んだ。彼の将棋はAI越えや異次元の指し手などファンを魅了している。彼は負けず嫌いでそのエピソードは多々あるようだ。その一つに、彼が10歳の時師匠と対局「1局目師匠に勝っても嬉しそうじゃなく、2局目師匠に負けて、もの凄く悔しがり、この世の終わりのような顔で落ち込んだ」「師匠に勝って喜ばない子は初めてだった。だが、負けず嫌いで悔しがることは伸びる要素だと」。一方、コント55の萩本欽一さんは、「僕の人生には勝つか逃げるかしか選択肢がないんです。勝つか負けるかの勝負はしたことがない。負けると思ったら逃げる」。あなたは、藤井派、萩本派、それとも……。

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「初めて自分で自分をほめたいと思います。(有森裕子:1996年のアトランタ五輪女子マラソンで銅メダル受賞時の言葉)」

有森裕子とのインタビュー記事(朝日新聞2023/8/23付け)から、『「自分で自分をほめたいは、インタビュー中に自分に言って自分で納得するための言葉でした。誰かに何かを伝えようとしたものではないです」と涙ながらに語った姿は感動を呼んだ。「自分で自分をほめたいという言葉は歌手高石ともや(フォーク)さんの歌詞の引用です。ただ勘違いされている方もいますが、私は自分で自分をほめてあげたいとは言っていません。自分に対して何かをしてあげるなんて言い方をしないです。誤解が広まったのも、たぶん自分をほめたいは日本人の感覚の言葉ではないんでしょうね。仏教圏の慈悲文化と、キリスト教圏の奉仕文化の違いがありそうです。あの言葉の元になったのは高石ともやさんの〔自分のことを分かっているのは自分自身だから、他人にほめてもらうんじゃなくて、まず自分で自分をほめることが大事だよ〕という言葉です。日本だとほめたいはずうずうしく、他人に施すあげたいが自然なのでしょう。アトランタ以降に自分で自分をほめたいと思ったことはありません。あんな出来事は一生に1回。こんな言葉をしょっちゅう使っていたら、単なるなまけものになっちゃいます』と。この言葉はその年の流行語大賞に選ばれた。

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「日本一というのは2つの意味があって、1つは甲子園優勝という野球の結果としての日本一です。もう1つは、言動や態度においても日本一にふさわしいと思われるチームになるという意味の日本一です。2つの意味の日本一を追求していきたいです。(森林貴彦:慶応義塾高校監督)」

今夏の甲子園高校野球、仙台育英の二連覇か慶応義塾の107年ぶりの優勝かの決勝戦。見始めたら3時間TVに釘付のベストゲームだった。優勝した慶応は「エンジョイ・ベースボール」「選手個々が自分で考えることを大切に」と自主性を重んじてきた。先輩後輩関係なく、全員でグラウンドを整地し、上下関係を作らない。高校野球の多くで見られる丸刈りもなく、指揮官の指導で自由な髪形が定着した慶応。優勝した森林監督は生徒に「これを人生最高の思い出にしないでくれと話した」という。一方、敗者の仙台育英須江監督「負けたのが慶応でよかった。負けた時に人間の価値が出るから選手達には、グッドルーザーであれと。最終日で勝つ喜びと負ける悔しさを両方味わえたので座右の銘のとおり”人生は敗者復活戦”素晴らしい経験を得た」と。両監督、生徒諸君「アッパレ!」

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「勝つためには最善に近づくことしかない。(藤井聡太 竜王・名人)」

令和の最強棋士ともいわれる藤井氏が史上最年少名人と七冠を達成成した。各界からの言葉。☆名人とは棋界全体が選んだ棋界の神様への捧げもの(河口俊彦八段棋士2015年没)☆記録というのは、それに相応しい人が持つべきと考える(前の最年少名人の谷川浩司十七世名人)。☆あれだけの実績を重ねながら、彼は棋界において一番か二番の努力をしている(永瀬拓也王座)☆時代における最強格の棋士になる才能を持ちながら、研究者の顔を持つ人が、絶え間なく高い訓練を積むから強いんです(佐藤天彦九段)☆最近の藤井対渡辺戦は人間対人間の戦いという感じがしない。藤井さんがAIで調べてきたというよりAIの考え方を会得して藤井自身がAIになったのではという気がしてならない。(青野照市九段)☆少なくとも目の前の勝ちにはこだわっていなくて、将棋の真理を追究したいというのが一番なのでは(師匠杉本昌隆八段)。8冠全制覇へ挑む名人に、私もワクワクしながら応援したい。

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「 勝者は勝つべくして勝ち、敗者は負けるべくして負ける(大山倍達:空手家、1994年没)」

永世棋聖の米長邦雄棋士はベテランになって、若年の羽生善治さんに名人位を奪われた。勝てないわけを講演会で語っている「年配棋士は、得意の戦型を用いて勝った記憶が忘れられない。もう通用しなくなっているのに…」と。成功体験から抜け出せないと次の成功に繋がらないようだ。

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「いちばんいい薬というのは”お前は天才だ、才能がある”という、この一言なんです。(米長邦雄:永世棋聖・4冠棋士、2012年12月逝去)」

強い棋士は、頭がよい・記憶力がよい・負けず嫌い・集中力が凄いという。藤井聡太5冠はそうだが、故米長永世棋聖もそうだったようだ。3人の兄は東京大学へ進んだが、「兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった」「将棋が強くなる方法は、脳みそが汗をかくほど集中して、盤面を見つめることである」とも

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「”派手な手と地味だけど最善手”の兼ね合いはとても難しいと思います。(藤井聡太五冠:棋士)」

史上最年少で五冠を達成した藤井聡太新王将が富士山何合目か問われ、「どこが頂上なのか全く見えない。(森林が形成されなくなる境界線の)森林限界の手前で上の方には行けていないのかな」と語った。他の棋士も富士山を例えて、木村義雄14世名人(1986年逝去)「将棋を富士山にたとへるなら、私の将棋などはやつと山麓に達したか、贔屓目に見て、二合目か三合目に差しかゝつたところであらう」。米長邦雄4冠(2012年逝去)は「技術的には現A級は百メートルを皆10秒1で走っている。今後よほどの天才でも現れない限り9秒7や8はなかなか出ないだろう。その意味で技術を富士山に例えれば、我々はまだ一合目かもしれない」と。