山奥の誰も見ていないところでもきれいに咲く桜。人が見ているから咲くとか、見ていないから咲かないとかいうような陰日なたはありません。 (松原泰道 臨済宗僧侶)
臨済宗の僧侶で岐阜市の瑞龍寺で修行もした。師は「般若心経入門-276文字が語る人生の智恵」他多数の本を出版したが、百歳を迎えた日に出版した「百歳からあなたへ(海竜者)」に冒頭の言葉がある。ところで、飛騨は例年より早い開花だが、先週は桜が開花した市中心部でも雪が舞うという春と冬の競演が見られた。今日は春の高山祭(山王祭)で、久しぶりに桜と祭り屋台の共演が楽しめそうだ。
悲しい時には、桜の花の咲くのを見たって涙が出るんだ。 (谷崎潤一郎 作家「著-蓼食う虫」から)
桜の語源は①咲くに接尾語「ら」が付き名詞になったという説。②「さ」は耕作を意味する古語「さ」もしくは「神霊」を意味し、「くら」は神様の「座」を表すという意味で、春になって山から下りてきた田の神様が宿る木とされたとの説もある。ようやく飛騨にも開花時期の到来だが、亡き妻は桜が好きだった。
雑草という草はありません。草にはみんな名前があります (昭和天皇)
昭和天皇は、生物学を専攻され武蔵野の自然を愛された。不自然なものを好まず、盆栽は好まれなかったという。ところで、今日は七草の節句で七草粥を食す風習がある日だが、新年になって初めて爪を切る日、「爪切りの日」でもある。粥を作る前に七草を浸した水に爪をつけ、柔かくして爪を切ると、その年は風邪をひかないと言われている。今年も健康でありたい