上所重助氏の詩「おかげさま」から『夏が来ると「冬がいい」と言う/冬が来ると「夏がいい」と言う/太ると「痩せたい」と言い/痩せると「太りたい」と言う▼忙しいと「暇になりたい」と言い/暇になると「忙しい方がいい」と言う/自分に都合のいい人は「善い人だ」と言い/自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う ▼借りた傘も雨が上がれば邪魔になる/金を持てば古びた女房が邪魔になる/所帯を持てば親さえも邪魔になる▼衣食住は昔に比べりゃ天国だが/上を見て不平不満の明け暮れ/隣を見て愚痴ばかり▼どうして自分を見つめないのか/静かに考えてみるがよい/一体自分とは何なのか▼親のおかげ/先生のおかげ/世間様のおかげの固まりが自分ではないか/ つまらぬ自我妄執を捨てて/得手勝手を慎んだら/世の中はきっと明るくなるだろう▼「俺が」、「俺が」を捨てて/「おかげさまで」、「おかげさまで」と暮らしたい』。
お陰様は、①他人から受けた助力や親切に対して感謝の意の他に②「かげ」とは、神仏やご先祖さまの霊のことを意味し、目には見えないものへの感謝の気持ちの意もあるそうだ