今年生誕100年となる作家司馬遼太郎さんの「第26回菜の花忌シンポジウム」が開かれた(2月12日は司馬の忌日で、菜の花を好んだことから菜の花忌といわれる)。「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」等……歴史小説の巨匠・司馬が残した数々の作品。その深い時代考察と繊細な人間描写に魅了された読者は多い。また女性より男性ファンが多く、「司馬遼太郎の最大の魅力は、エネルギッシュさと深い時代考察」と語るファン。シンポジウムでは「人間の弱さを肯定した人物造形に魅力を感じると語った。ストイックさと不可分だった歴史小説に人間的な弱さが魅力の主人公を造形した。私たちの弱さを肯定するところに価値があった(作家:門井慶喜)」「”勝った人ではなく、理念を貫きながら志半ばで倒れた人”を描いたと評した木内昇(作家)さん。今日、司馬に応えられる男はどれだけいるのだろうか。