言葉に接頭語の「お」を付けると、意味が違うことがある。寿司店では「にぎり」、遠足の弁当は「おにぎり」と、意味も値段も違う。「めでたい」と「おめでたい」、「しゃれ」と「おしゃれ」も多くは別の意味で使われる。「役所仕事」は堅実な仕事ぶりを連想するが、「お役所仕事」となれば、形式や前例にこだわる印象となる。「お」を付けると丁寧語だが、最近、政治家やお役所が不祥事がらみの事案について、反論されたり攻められた時、「丁寧に」説明しますと答える場面をよく目にする。しかし、「丁寧に説明する」と言つつ、表面的には礼儀正しく長々と同じような意味を繰り返しの説明で、本当のことを、はぐらかしているようにも思える。「丁寧に説明する」とは、相手が知りたいことを、相手の知りたい順序と相手が理解出来る言葉で正確に伝えることだと思うのだが。