今週の名言・一言・つぶやき「つり鐘は、聞き手のいかんによって、異なった音色を出す。(鈴木文史朗:ジャーナリスト)」

今年の漢字は「金」が選ばれた。リオ五輪の金メダル、イチローの3000本安打の金字塔、ピコ太郎の金色衣装、舛添前都知事の金の問題等々が理由だという。金は「キン、カネ、コン」だが、カネと言えば除夜の鐘はもうすぐです。除夜の鐘をあるお寺さんは、大晦日の22時30分から撞き始めるそうです。一定の間隔で撞き続け、108回目がちょうど午前零時になるようにしているといいます。1時間半かけて除夜の鐘を撞くわけです。それを聴いている人は、一声響くごとに、過ぎし一年を想うことでしょう。そして、108回目を聴いて迎える元旦に、どんな想いを託すのでしょうか。

今週の名言・一言・つぶやき「不平はエネルギーだ。人間は不平がなければ、働く意欲を失ってしまう。(小川 栄一:実業家)」

不平には良い不平と悪い不平がある。小川が述べている不平は良い不平である。つまり、現状に満足出来ず、さらにもっとよい仕事ができ、よいものを生み出せるはずだという前向きな不平である。私の身近でも、高齢者の集会で語られる不平・不満は、悪い不平が多いようだ、気をつけなければと思う。小川は、「運・鈍・根の信念を教えられた。以来、今日まで私は両人の悪口は一切言わないでいる」とも。

今週の名言・一言・つぶやき「妻が逝って、私は、空ばかり写している。元気になんか、なりたくないね。荒木経惟(写真家)」

『悲しいときは悲しむだけ悲しんだほうがいい。こころが空っぽになれば、その空しさをそのままおもいっきり表したほうがいい。妻に逝かれた写真家はしばらく、その「空(から)」を「空(そら)」として撮ることしかできなかった。妻とのこの世ではぷつんと切れて垂れ下がっている糸に、それでも自分をぶら下げたままにしておきたかった。「空景」展(1990年)に寄せたことば。(2015.9.6朝日新聞「折々の言葉から」)』。今日は私の妻の祥月命日だ、仏壇の前で心を空にする。

今週の名言・一言・つぶやき「赤こそ男の色ではないか。激しさを象徴する。自分の全身を赤で染めたい。ぼくが好きなほんとうの血の色というのは、人間か生命をかけて危険な冒険に挑み、その結果、バッと噴出する血 岡本太郎(芸術家)」

例年より早く紅葉が始まった。それも全国各地で始まった。25年ぶりの広島カープの優勝で赤い色がスタジアムを覆った。胴上げ投手となった黒田博樹。男気の末に見せた彼の涙、何かを成し遂げた男の涙は素敵だった。クライマックスシリーズと日本シリーズ、後2回真っ赤な紅葉は観られるのだろうか。ところで「岡本太郎氏の職業は」と尋ねられた時「職業は人間だ」と答えたそうです。そして彼は広島でなくジャイアンツファンだったようです。

今週の名言・一言・つぶやき「考え方が適切(あるいは論理的)であれば、健全な感情が生まれます。考え方が不適切(あるいは非論理的)であれば、感情も不健全になってしまいます。 岡野守也(仏教心理学者)」

先週の「違法ではないが不適切」の話題から、今週は「違法だが不適切ではない」の話題を。横浜市のバス停に壊れたベンチの代わりに置かれたソファの扱いが議論を呼んでいる。
高齢者からは「助かる」と好評だが、市条例では歩道の幅は2m必要でソファ設置により10㎝ほど狭くなっていると言う。今まで苦情はなかったが、最近「ソファが置かれていることで乗車の並び順が分からなくなる」との苦情があり、善意で置かれたソファを撤去すべきか市は対応に苦慮していると言う。

今週の名言・一言・つぶやき「僕の場合は、共感ではなくて同感。外から来た人は共感、共に感じることまでは出来る。 僕はそれを超えて同感、同じように感じている。桑山紀彦(心療内科医 )」

彼は岐阜県高山市に生まれた。国際医療にも携わる桑山氏が世界の貧困や内紛や自然災害で被災した地を巡って見た光景。この地球上にはとてつもなく劣悪な、過酷な環境下に生きる多くの子供達がいる。そのため、飢えや病気で幼くして命を落としてしまったり、全く教育が受けられなかったり、搾取や暴力、虐待、強制労働といったことの犠牲になったり… 。そんな子供達に私たちができることは ?と。彼は年間200回を越えるコンサートステージ「地球のステージ」は全国の学校を中心に世界で起きている出来事、そして東日本大震災の現状とその後の復興を伝えている。

今週の名言・一言・つぶやき「よく”災地にも笑いを”なんて言うヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。ビートたけし(タレント)」

熊本地震から10日過ぎたが、まだ余震が続き、被災者はまだ笑うことが出来ないでいる。余震が続くためボランティア活動の受け入れをまだ出来ない町もあるようだ。ところで、寄付金の中には①支援金と②義援金がありその違いは。①支援金は、被災地で活動を行う団体や機関(NPO・NGO)に対してのお金。②義援金は被災地の自治体に送られ、義援金配分委員会によって寄付金の100%が公平・平等に被災者へ配布される。確実に被災者の元へ届けたいということであれば、支援金よりも義援金の方が良いが、公平・平等に配分しなければならず、その作業も自治体が被災した混乱の中行うため、被災者の元へ届くまでに、かなり時間がかかる。寄付するなら貴方はどちらですか。

今週の名言・一言・つぶやき「本年亡くなった方々の言葉」

今年最後の名言は、本年永眠された一部の方の言葉を集めました。
☆河上和雄(ロッキード汚職事件-東京地検特捜部長)2月7日逝去(享年81歳)
「群れを飛び出しても生きていけるような人間が集団を作った時、その組織は強くなる。」
☆坂東三津五郎(歌舞伎役者)2月21日逝去 享年59歳
「自分が一生懸命に勉強したときに限り、誰かが力を貸してくれてるなと思うときがあるんですよ。」
☆桂米朝(落語家-人間国宝) 3月19日逝去 享年89歳
「本当に大切な人との出会いは 全ての過去をひっくり返す力を持っている」
☆南部陽一郎(ノーベル賞受章者)7月5日 逝去 享年94歳
「自分では語らない、理論に語らせる」
☆塩川正十郎(元国会議員)9月19日逝去(享年93歳)
「母屋(国の一般会計)でお粥をすすって一生懸命節約をしているのに、離れ(特別会計)ではコドモがすき焼きを食っておる」
☆水木しげる(漫画家)11月30日逝去(享年93歳)
「喧嘩はよせよ、腹が減るぞ」

今週の名言・一言・つぶやき「共に楽しむ共楽、共に学ぶ共学、共に育てる共育……何より僕は、共に笑う共笑(ともえ)が大切だと思う。今の世の中では、片方ばかりが笑っている (にしゃんた[大学教授])」

「にしゃんた」さんはスリランカ生まれの46歳、現在日本国籍。来日(日本語勉学開始)1年で、非漢字圏出身者としては異例の日本語能力試験一級に合格。立命館大学では新聞奨学生をしながら、同学年に800人以上いた経営学部を学部総代で卒業した。多才で「七つの顔の男」ともいわれる。①スリランカ人② タレント③大学教授④落語家⑤空手家⑥子育て父⑦新聞奨学生である。共笑(ともえ)と読む造語。既存の「共生」に対して新たに提示されている概念。違いや変化といかに生きるべきかの理想形として、便利な言葉として使われる「共生」は、実際のところ、同化であったり、棲み分けであったり、下手すると排斥であったりする。関係し合う者の片方だけが笑っていることが多い。ただ共に生きるだけでは不十分。共に笑うことが大事で、その組み合わせにのみ平和と持続可能性があると言う。

今週の名言「なみだは にんげんのつくることのできる いちばん小さな 海です (寺山修司 劇作家)」

「折々のことば-鷲田清一(朝日新聞)」に上記の言葉があった。「どうしても譲れないこと、受け容れられないこと。あまりに悲しくてやりきれないこと。小さな者たちの小さな、小さな抗議は、けして、けして小さくはない。どっと押し寄せる波に溺れてしまいそうな大海ではなくて、自分たちでじわりじわり広げてゆく海。「小さな海」までひらがなが続くのがいい。「いちばん短い抒情詩」の全文。「愛さないの、愛せないの」から」。昨日は海の日だった。