春山氏は、二十代で進行性筋ジストロフィーを発症し、数年後には首から下の自由を失う。介護機器の開発販売などを行う「ハンディネットワークインターナショナル」を設立、「車椅子社長」として知られていたが、2014年2月60歳で永眠。自らが被介護者となった春山さん、様々な介護用品を開発・製造。開発した特殊浴槽は寝たきりの人でも、ゆったりと入れあまりにも気持ちよさそうな表情を見せる高齢者を見たヘルパーが、思わず泣き出したというエピソード。故人は「自分と他人を比較するな。あくまでも自分は自分であり、他人は他人。周りから、あーだこーだと言われても、自分が強烈な憧れを持ち素直に自分の信じる道を歩むべきだ」「失くしたものを数えるな」とも。強い人だった。
8年前の東日本大震災、津波で家族や家財、社会を奪われた被災者は“生き地獄”にありながら、寒さと空腹に耐え、整然と食料の配給を待った。こうした状況を海外メディアは「あり得ない」と驚きをもって日本人の高い道徳性を報道した。先月、亡くなった日本文学者ドナルド・キーンさん(96歳)は、被災者の冷静で節度ある姿に感銘。「こういう人々と共に生きたい」と思い日本国籍を取得したという。今なお愚痴を言わずに復興に向かっている多くの被災者がいる。
上所重助氏の詩「おかげさま」から『夏が来ると「冬がいい」と言う/冬が来ると「夏がいい」と言う/太ると「痩せたい」と言い/痩せると「太りたい」と言う▼忙しいと「暇になりたい」と言い/暇になると「忙しい方がいい」と言う/自分に都合のいい人は「善い人だ」と言い/自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う ▼借りた傘も雨が上がれば邪魔になる/金を持てば古びた女房が邪魔になる/所帯を持てば親さえも邪魔になる▼衣食住は昔に比べりゃ天国だが/上を見て不平不満の明け暮れ/隣を見て愚痴ばかり▼どうして自分を見つめないのか/静かに考えてみるがよい/一体自分とは何なのか▼親のおかげ/先生のおかげ/世間様のおかげの固まりが自分ではないか/ つまらぬ自我妄執を捨てて/得手勝手を慎んだら/世の中はきっと明るくなるだろう▼「俺が」、「俺が」を捨てて/「おかげさまで」、「おかげさまで」と暮らしたい』。
お陰様は、①他人から受けた助力や親切に対して感謝の意の他に②「かげ」とは、神仏やご先祖さまの霊のことを意味し、目には見えないものへの感謝の気持ちの意もあるそうだ
岐阜県中津川市に満天星一休という和菓子屋があり、「満天星の郷(どうだんのさと)」という爽やかな風味のどら焼きをいただいた。ところで、満天星と書いてツツジ科の植物「満天星(ドウダンツツジ)」と小惑星の「満天星 (ドウダンツツジ)」が有るが、星といえば日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月22日に、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」の地表から岩石標本を採取するための着陸に成功したと発表。宇宙の暗闇の砂漠を、「はやぶさ2」は3年半に及ぶ約32億kmの長旅を経て到着した。私は昨年、足掛け3年で東海道53次495㎞を歩いたが、「ハヤブサ2」は東海道53次街道を646万回以上の距離を旅した。帰還予定は来年末だという。
2月17日堺屋太一さん告別式のニュース。私は昭和22年亥年生まれで「団塊の世代」だ。堺屋さんは一回り上の亥年生まれで、「団塊の世代」の名付け親だった。氏は「構想力ずばぬけていた(田原総一朗-評論家)」「今の日本人にはない発想の持ち主(安藤忠雄-建築家)」。 多方面に足跡残した氏に告別式では1000人の人が別れを惜しんだという。合掌
立春が来というのに、飛騨地方は厳しい寒さが続いている。北海道陸別町では氷点下31.8℃記録したという。氷点下4℃で水道管が、氷点下10℃でビールが、氷点下14℃で日本酒が凍るという。氷点下15℃でダイヤモンドダストが見え始め、氷点下20℃で睫毛に霜がついて真っ白になる。氷点下30℃では大木が凍って裂ける「凍裂」現象が起こるそうだ。一方私は、最近の加齢とともに緊張感が緩みぬるま湯に浸かったような状態だ!
タモリがなおみに負けた? NHKは、全豪オープンテニス女子シングルス決勝中継延長のため、「ブラタモリ」を放送休止、決勝では大坂なおみが優勝した。世界四大大会のうち全米・全豪オープンで優勝した大坂なおみは世界ランキング1位となった。記者会見での大坂は、小さな声で答えシャイな少女にみえる。しかし、コーチ曰く「少女のように無垢」でありながら、無類の勝負師で完璧主義者でもあるという。彼女の言葉は、知的でときには真っ直ぐに人の心を打ち、ときには豪胆に響き、ときには哲学的な示唆に富む。今後の活躍に期待したい。
【判断と決断】
辞書には『判断』物事を理解して,考えを決めること。論理・基準などに従って,判定を下すこと。『決断』きっぱりと心を決めること。是非善悪を見定めて裁くこと。とある。早稲田大学のラグビー部元監督の中竹竜二さんは、『判断』過去に対して客観的に評価すること。『決断』未来に対して主観的に方向性を打ち出すことと言う。今月、決断のニュースが幾つかあった。①先々週「横綱稀勢の里の引退」②先週「三浦雄一郎さん(86歳)生きて帰るため南米最高峰への登頂を断念」の決断には、ドクター大城和恵さんの「この標高は、生物学的には86歳の限界です。生きて帰るために、判断をした」と。そして三浦さんは、90歳でのエベレスト登頂を目指すと。③今週人気絶頂の「嵐」が活動休止の決断と。何れの決断にも世論は肯定的であった。政治家や経営者の決断も社会や社員が認める決断であって欲しい。
稀勢の里が引退した。先代親方(元横綱・隆の里)から「勝って喜ぶのは相手に失礼」と教えられ、無口で愚直、喜怒哀楽を抑え「勝っておごらず負けて腐らず」と昔ながらの力だった。中学の卒業文集に「天才は生まれつきです。もうなれません。努力で天才に勝ちます」と書いて横綱になった稀勢の里。努力が天才を負かす相撲がもっと見たかった。
昨日は成人の日、新成人は125万人、前年より2万人の増加。3年後の2022年に成人年齢が18歳に引き下げられるが、成人式については7割の若者が「受験と重なる」などとして現状の20歳での実施を希望しているとするアンケート調査結果もある。一方、南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961m)の登頂とスキー滑降に挑戦中のプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86歳)が、南米の高地から14日の成人の日にメッセージ「青春真っ盛りで人生これから。大きく大きく羽ばたける最高のチャンスだと思います。夢を見て、夢をあきらめず、夢に向かってがんばってください」と。新成人125万人の夢は?