先週岩手県への出張があり「奇跡の一本松(陸前高田市)」を観てきた。ガイドは新沼岳志さん。東日本大震災の津波の直撃を受け、7万本松の木がなぎ倒されて壊滅したが、一本だけ津波に耐えて残った。この松は震災からの復興への希望の象徴として、「奇跡の一本松」と呼んでいる。14.5mの津波が襲った「道の駅陸前高田松原(震災遺構)」の前で「我々が体験した震災について日々語っているが、時が経てば体験者は減っていく。『もの言わぬ語り部』を残しておかなければならない」と。「明治29年、昭和8年、昭和35年の津波のときも何も残してこなかった。書物やDVDで記録しても平時には誰も見ない。見たくなくても毎日目に映る震災遺構こそが訴える力になる。何も残せなかった地域は次第に人々が訪れなくなっている……」と。