今年、白寿を迎えた堀文子氏。20年続けてきた「堀文子 現在(いま)」シリーズでは常に新しいテーマ技法にチャレンジし、新作を発表を続けている。彼女が「サライ(雑誌)」の白寿記念インタビュー「これが私の生きた道」から。☆驚くこと。感動すること。ただそれだけあればいい。☆私は自分に対して冷たい人間ですから、自分の経歴やしてきたことなんていちいち覚えていないのです。私にとっては常に「現在(いま)」しかないのです。☆人間は生きている限り、未熟なのです。この齢になっても、私は自分に対する不満が山のように溜まっています。☆99歳になるというのは初体験です。人の一生は毎日が初体験で、喜びも嘆きも時の流れに消え、同じ日は戻らず、同じ自分もいないのです。☆私が確かに生きているという今日。全身、全霊を傾けて考え、嘆き、感動することのできるのが今という時間なのです。