『そうか、もう君はいないのか』は、城山三郎氏の死後に見つかった遺稿を編集したエッセイ本。先立たれた妻・容子さんとの出会いから別れまでを綴った回想録だ。この本書の解説者児玉清(俳優)」は『このタイトルを目にしたときは、胸に鋭い一撃をくらったような衝撃であった。後に残されてしまった夫の心を颯(さっ)と掬(すく)う、なんと簡潔にしてストレートな切ない言葉だろう。最愛の伴侶を亡くした寂寥感、喪失感、孤独感とともに、亡き妻への万感の想いがこの一言に凝縮されている。城山さんの悲痛な叫びが、助けてくれえ、という声まで聞こえてくるようで、ドキッとしたのだ』と解説。城山さんは妻を亡くした後の生活に慣れることが出来なかったようだ。先週は我が妻の祥月命日だった。