今週の名言・一言・つぶやき
「ああ、湯が滲(し)みて来る。(「海峡-井上靖著」から」

小説で主人公は、「本州の北の果ての海っぱた(海端)で、雪降り積る温泉旅館の浴槽に沈んで、いま硫黄の匂いを嗅いでいる」と、青森県風間浦村の下風呂温泉でつぶやく。
凍みるような寒さの中、温泉で湯が滲みて来る。湯上がり後の酒が体に染み渡り、そして人の優しさが沁みる。先週大寒を迎えたが今年の寒さは格別だ、久しぶりに日帰り温泉で温まりたい。

今週の名言・一言・つぶやき
「どんな悲しみや苦しみも、必ず歳月が癒してくれます。そのことを京都では“日にち薬”と呼びます。時間こそが、心の傷の妙薬なのです。(瀬戸内寂聴:小説家・尼僧)」

寂聴さんは、「愛する我が子に先立たれた、最愛の人を亡くした。その悲しみを治す薬はないけれど、歳月が薬になる。時間がこころの傷を癒やしてくれる」と。昨日、阪神・淡路大震災追悼式で灯籠による”忘”の文字が。27年前の震災を「忘れない」だけでなく、想い出すのが辛く忘れたい人、忘れられない人達が参列した。

今週の名言・一言・つぶやき
「集中力っていうのは、天才のものじゃないんだ。訓練だ。(小澤征爾:指揮者)」

シンガーソングライター、作詞・作曲・女優等で活躍する加藤登紀子さんは「リラックスしていないと、集中力が働かない。不必要な緊張感が思考力を低下させている。この国の大きな欠陥。過剰な監視や自粛をやめて、大きな深呼吸を!」と。

今週の名言・一言・つぶやき
「芸術とは感情にほかならない。(ロダン:彫刻家)」

芸術鑑賞してもお腹が満たされるわけではない。しかし、芸術作品を鑑賞するとなんとなく心を満たしてくれる。夕日を見たり、絵を見たり、音楽鑑賞をして、美しいと感じ、目や耳で受けた刺激が美しいと感じるともっと見たい聞きたいと心地よい感情が湧いてくる。こうした脳内の美の伝達がやる気脳を育てるのだとか。芸術鑑賞は脳の健康にもよいのだそうだ。今秋真っ盛り。芸術・食欲・読書・スポーツの秋、あなたはどの秋が好きですか。亡き妻は紅葉と食欲の秋が好きだった。

今週の名言・一言・つぶやき
「新鮮だから旨いと思っているバカがいます。新鮮というのは新しいか古いかであって、旨いかまずいかじゃありません。(永六輔:タレント・放送作家、2016年没)」

火野正平がTV番組で「バッカじゃないの」と若者の男女に向かって言った。このバカの部分だけを切り取るとセクハラ発言だ。番組”にっぽん縦断 こころ旅(火野正平の自転車によるNHKのTV番組)”の岐阜県養老編でのこと。火野さんが旅の途中で、若者カップルに出会う。名古屋を出発、自転車で40分掛け6㎞の坂道を上ってきた若者達。これから三重県、滋賀県、養老を廻って名古屋に帰るという。72歳の火野自身は下り坂だから自転車でこれから養老に向かえるが、若者達の来た登り坂なら俺だったら俺は4日かかると、若者に「バッカじゃない」と笑顔で。火野さん情のこもった新鮮で旨いバカ発言だった。

今週の名言・一言・つぶやき
「有情活理(根岸秋男:明治安田生命保険社長)」

明治安田生命保険-根岸社長の座右の銘は「有情活理」。「どんなに理屈が正しくても情が無ければ人は動きません。情があることで理は活きるのです。日本社会では “情” は絶対に大切。でも “情” だけだと、なれあいや惰性になってしまう。継続的な発展をするには “理” が必要です」と。自民党総裁選挙で党員や議員は、情と理どちらに重きを置くのだろうか。

今週の名言・一言・つぶやき
「人の心にはいろんな穴が開いているんだな。埋められない穴、埋められる穴、埋めたくない穴。そして、人と人が助け合おうとすると時に、それを阻む穴……(「それでも、陽は昇る」真山仁著から)」

この小説は、神戸と東北 二の被災地をつなぐ震災三部作の完結編。阪神淡路大震災で被災し妻子を亡くした男が、東日本大震災の被災地小学校へ応援教師として赴任。その後、NPO法人「震災伝承プロジェクト」の活動に奮闘。震災で起きたことを語り継ぐ活動を通じて、被災地復興の物語。震災後の人々にふりかかる傷、苦痛に一番必要なものが何かをこの小説は語る。著者は、復興については成功談だけでなく「”失敗”を伝えていくことの必要性、災害経験者が伝えられる何よりの有益な情報は”失敗談”」だと語る。

今週の名言・一言・つぶやき
「悔しがればいい、泣けばいい、喜べばいい。それが人間だ。(松岡修造:タレント、スポーツ解説者、元プロテニス選手)」

東京五輪は閉幕したが沢山の涙があった。嬉し涙、悔し涙、感動の涙があった。ところで、涙には味があるという。涙の味は交感神経が働いているのか、副交感神経が働いているのかによって味が変わるという。「悔しい・腹が立ったきは、交感神経が働き、塩辛くしょっぱい味。嬉しい・悲しいときは、副交感神経が働き、水っぽく甘めの涙」だとか。貴方の涙は、塩辛かったそれとも甘かった?

今週の名言・一言・つぶやき
「”叱る”と”褒める”というのは同意語だ。情熱や愛情が無いと、叱っても、ただ怒られているというとらえ方をする。(野村克也:元プロ野球選手・監督)」

『部下を指導するのは難しい。「怒っているのではない。叱っているんだ。」と、勘違いをされないように指導してきた。選手にうまくなってほしい、成長してほしいから、相手のことを考え、愛情を持って叱る。その場の感情で怒鳴ったりしていないか、いつも反省していた。怒られているのでなければ、説得力があるはずだ』と野村監督。

今週の名言・一言・つぶやき
「目から汗が出た(高見山大五郎:元関脇、東関親方)」

大相撲名古屋場所が開催中、外国人力士の活躍が目立っているが、初めての外国人力士として、様々な苦労を乗り越えた高見山。辛い股割稽古の際に涙し、「目から汗が出た」と。長いもみあげ、ジェーシーの愛称で相撲ファン以外にも絶大な人気があった。引退後、親方になると、東関部屋に「十の心」という標語を掲げた。①おはようという親愛の心②はいという素直な心③すみませんという反省の心④どうぞという謙譲の心⑤私がしますという奉仕の心⑥ありがとうという感謝の心⑦おかげさまでという謙虚な心⑧お疲れさんという労(いたわ)りの心⑨なにくそという忍耐の心⑩嘘をつくなという正直な心