今週の名言・一言・つぶやき
「動物には動物の距離感があるように、人間同士がうまくやっていける距離感を、僕ら団塊の世代はすし詰め教室で学びました。(西田敏行:俳優)」

私と同い年生まれの西田敏行さんが逝った。大好きな俳優で「釣りバカ日誌」をよく見ていたが、彼は、こう語ったことがある。『小学校のころ教えられたこと。「車は左、人は右。それで本当に良いのか」と先生は尋ねた。「心臓は左にある。心臓が車に近くならないよう、左を歩いた方が安全だ」と言うのです。私は「人は右」というルールにそれまで何の疑問も持ちませんでした。難しい言葉で言えば、既成概念を打破することに未来があるのではありませんか。子どもの目がきらきらしていて、親の勘で「やれるかもしれない」と思える目だと感じたら、受け止めてあげてください。100個考えて無理だと思っても、101個目に何かあるかもしれないと思ってください』と。ご冥福を祈ります。天国でスーさんと仲良く喧嘩していますか。

今週の名言・一言・つぶやき
「その日から とまったままで動かない 時計の針と悲しみと(竹久夢二:画家・詩人)」

妻が逝って今月13回忌を迎えた。(石井)哲代おばあちゃんは「一人が一度に背負う悲しみには限界があります。だから仲間が一緒に引き受けて、一人の深い憂いに寄り添うの」「人は死んだら終わりではない。同じ時間を過ごした仲間が覚えていてくれるなら、その人はまだ居る。年に一度開く”偲ぶ会”も、だから各自が背負う悲しみを共に乗り越えてゆく集いなのだ」と、元小学校教員は言う。そうして欠けた三日月のような自分を満月にしてゆくのだと。石井哲代と中国新聞社の共著『102歳、一人暮らし』から

今週の名言・一言・つぶやき
「私ども被爆者は訴えます。命のある限り私は訴え続けます。「ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ(1982年6月、国連軍縮特別総会にて。山口仙二:元日本被爆者団体協議会代表理事)長崎原爆の被爆者で2013年に82歳で死去」」

(小説:井上ひさし著「父と暮せば」)で、「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」原爆で愛する者たちを亡くした美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘に父は、広島であんなにむごい別れが何万もあったことを覚えてもらうため、おまえは生かされている。「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんがおまいの仕事じゃろうが」と。今年のノーベル平和賞に「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)が選ばれた。被日本被団協の爆者たちは「許さない」でも「覚えておけ」でもなく、ひたすら「繰り返さないで」と訴え続けてきた。それが世界のどんな場所でも。「ノーモア」は人類の未来に向けた願いだ。だから世界の言葉になった。そしてノーベル平和賞になった。

今週の名言・一言・つぶやき
「歳を取れば、できないことが増えてくる。それは当たり前のことです。しかし、できないことを決めるのは他の誰かではありません。それを決めるのは自分自身。(三浦雄一郎:冒険家、登山家)」

先週の10月3日は「登山の日」だった。山に登ることで雄大な自然に触れ、自然の素晴らしさを知り、その恩恵に感謝する日だとか。登山と言えば、三浦雄一郎さんが浮かぶ。これまでエベレストに三度登頂を果たし、80歳での登頂は史上最高齢としてギネス世界記録に認定されている。彼は言う。困難なことをするか、しないかで迷うとき、人はたいてい「しない」わけを探す。「自分の弱さを乗り越えようとして、ホラを吹く。だが吹いた以上は、やり遂げる」と。数々の偉業を成し遂げた人は「できる」理由をかき集めては、自分を奮い立たせるらしい。最近出来ないことが増えて加齢のせいにする自分がいる。が、反省しなければ。

今週の名言・一言・つぶやき
「腐敗した社会には、多くの法律がある。(サミュエル・ジョンソン:18世紀英国の詩人・批評家-1784年没)」

今日10月1日は法の日で「国をあげて法を尊重し、法によって個人の基本的権利を擁護し、社会秩序を確立する精神を高めるための日」とされる。NHKの朝ドラの「虎に翼」が先月終了したが、この番組では「法とは何か」を問いかけ、身近な存在としての法を考えさせた番組だった。ところで、世界で最も長く拘置された死刑囚、袴田巌さんに先月再審無罪判決が言い渡された。事件から58年死刑囚だった袴田さん。裁判所は、証拠はねつ造されていたと、袴田さんに無罪を言い渡した。判決後、裁判長は袴田さんの姉のひで子さんに「ものすごく時間がかかっていて、裁判所として本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。それにしても長かった。