先週発生した熊本地震は14日の前震と16日の本震後も余震活動が活発で、収まる気配がない。土砂崩れや倒壊家屋現場で懸命の捜索が続いている。一方、熊本地震の被災地から、食料や水など支援物資の不足を訴える声が相次いでいる。全国各地から支援物資は向かっているが、受ける側の自治体が分配機能を十分果たせていない。大動脈である九州自動車道が寸断され、陸路で支援物資が集まるほど渋滞を悪化させる悪循環にも陥っている。2011年の東日本大震災でも支援物資の滞留が指摘され、仕分けを民間物流業者に任せることでようやく避難所に物資が届くようになった。今回の物資不足は、5年前の反省が生かされたとは言い難い事態だ。