今週の名言・一言・つぶやき「時間は待つすべてを心得ている人に扉を開く。(中国のことわざ)」

先週、大混雑する「伊藤若冲展(東京都美術館)」を観てきた。超絶技巧で極彩色の超細密画の華麗な作品に感動する一方で、我が人生で最大の待ち時間となる230分待ちの列に並び、待ちくたびれ感が増す一日でもあった。ところで、オバマ大統領が今週被爆地の広島を今週訪れるという。米大統領には、待ちくたびれでなく待ち望んだと言われる「扉を開く」言動に期待したい。
以下『東京新聞(5/12付け筆洗から)『ヘレン・ケラーは1984年の秋、広島を訪れた。見ることも聞くこともできぬ彼女は、原爆ドームを見ることも、被爆者の声に耳を傾けることもできなかった▼だが、1人の男性が彼女の手を自分の顔に導き、触れさせた。その顔に原爆が刻んだケロイドの感触が、「戦争の早期終結に寄与した」と米国が主張する核兵器の真の姿を、ヘレン・ケラーにまざまざと伝えたのだ▼この逸話をもとに長崎の詩人・志田昌教さんは、こんな詩を書いた。<視覚も聴覚も失ったヘレンにとって/触れることが世界を知る唯一の術(すべ)であった/そしてヘレンの細いゆびさきは/健常者の目や耳の感覚を超えて/人類の不条理をあまねく読み取った…>▼<目はあっても何も見ることができず/耳はあっても何も聞くことのできない/束の間の繁栄に執着するだけの/わたしたちの罪を受け止めるように/ヘレンのゆびさきは不条理と対峙する…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)▼米大統領による初の被爆地訪問だが、米政府の説明によると、被爆者と会う機会を持つかどうかは未定だという▼しかし米大統領は、その指で核兵器の発射ボタンを押すこともできる。だからこそ、ゆびさきで原爆の傷痕にじかに触れ、核の不条理を読み取ってほしいのだ。』

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