幸せとは、決して魔法のランプのようなものではない。毎日の暮らしの中で「ああ嬉しい」と感じる、小さな点のようなもの。その点が、一つより二つ、三つより四つと線になってゆくように (沢村貞子 女優)
敗戦直後、脇役女優と雑誌記者が恋をし東京へ駆け落ち。無一文からの出発。数々の労苦を二人で乗り切り、ようやく楽しい老後を迎えたが、最愛の夫は急逝。「やさしくて頭のよい貞子がいて幸せだ、貞子ありがとう」の遺稿を見つけ「働く人がみんな幸せになれるようにしたいと思ったけれど、何もできませんでした。でも、ひとりだけ幸せにできたと」