宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した宇宙飛行士の野口聡一さん。「地球は確かに青かったが、それ以上に印象的だったのは”まぶしさ”でした。太陽の光を反射する地球の圧倒的なまぶしさに驚いた。そして光まばゆい地球と、真っ黒な世界である宇宙のコントラストに衝撃を受けた。4K、8Kのどんな精細な映像でも伝えられないでしょう」。「宇宙は基本的には死の世界。生きていることは奇跡だと感じた」。「(船外活動で)眼下の地球はこうこうと輝き、握った手すりは太陽の光で熱を帯びていた。手を離せば無の世界に行ってしまう。目の前の宇宙は”360度、光が来ない何もない景色”星すら見えない暗闇に、恐怖を覚えた。だが、まばゆい輝きのISSと地球があった」と。
ウクライナの首都近郊マカウリで、ロシア軍に殺害された飼い主の女性を約1カ月にわたって待ち続けた犬がいた。ボランティアが餌を与えて連れ出そうとしても、女性宅から離れようとしない、犬の名はリニ。亡き飼い主を待ち続けるリニを地元では「マカウリのハチ公」だと涙を誘う。新しい飼い主は、何度も家に通ってなつかせたという。日本から10年前プーチン大統領に秋田犬がプレゼントされたが、リニも秋田犬だったとか。
ロッテの佐々木朗希投手が完全試合を28年ぶりに達成。プロ野球新記録となる13者連続奪三振、1試合19奪三振(プロタイ)の記録も。彼の高校時代國保監督は、甲子園行きが懸かった決勝戦で、故障予防のため連投を避け令和の怪物と言われる彼を登板させなかった。チームは敗れ連投させなかった監督には非難もるなど物議を醸したが、騒動後高校野球に投手への球数制限制度が導入された。高卒で即戦力とも言われたが、プロ入り後ロッテ球団は、2軍で鍛え上げていくことが一般的な中、そのまま1軍に同行させながら体作りに専念させる。異例な育成方法には批判もあったが、今回の快挙だ。そして7日後の先発登板、8回まで完全試合を続けパーフェクト投球したが、球数が102球に達し体調をみた監督は8回で交代、2試合連続の完全試合が目前だったこの交代には賛否呂論だ。今、企業や社会は即戦力となる人材を求めがちで、人材を育成することが疎かになっていないだろうか。短期的な成果より、長期的な視点で人材を潰すより育て人材を人財にするロッテを応援したい。
メジャーリーグが始まった。1番で開幕投手となった大谷翔平選手だったが、残念ながら負け投手となった。だが、投手降板後もDHとして試合出場を続けられるという新ルール(二刀流のための大谷ルール?)で、大谷は昨年より50打席ほど増える可能性が有り、ホームラン王への期待も高まる。彼は2015年1月、二刀流で初めて実績を残したプロ2年目のシーズン後「ようやく扉の前かな。扉は押し続けているんだけど、まだびくともしない。扉が1枚なのか、2枚、3枚あるのか分からない。けど、分かっていたら面白くないですから」と語っていた。君は少なくとも何枚かの扉は押し開いたと思う。
池谷教授は、脳は飽きっぽくできていて三日坊主に悩む人が多いのも当然だが、解決策は脳をだますことだと。やる気や気合などのパワーを生み出す脳部位の「淡蒼球」を起動させることだ。起動スイッチは4つある。①つ目のスイッチは身体(体を動かす)。身体は脳の支配下にあると思われがちだが、本当は逆で体が主導権を握っている。「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」、「やる気が出たからやる」のではなく「やるからやる気が出る」②経験(いつもと違うことをする)。日常生活の体験は脳の最高幹部と言われる海馬を通じて、貴重な記憶や知恵として脳に貯えられる。そのため「形から入る」「身銭を切る」「人を喜ばせるためにやる」等。③報酬(褒美を与える)。褒美はテグメンタという脳部位を活性化させ、快楽物質であるドパミンを出す。金や食べ物も報酬になるが達成感が優る。④イデオモータ(なりきる)。強く念じることで、無意識のうちに体が動く。成功のイメージを具体的に描き、その自分になりきることでやる気が引き出されると。
メジャーでMVPを受賞した大谷さんを育てた佐々木洋監督。「おまえは運がいい」と言われ続けてきた。「菊池雄星を獲得できて運がいい」「棚ぼたで選抜(春の甲子園)に出て準優勝した」。そう言われて以前はムッとした。しかし考えが変わった。「運は運を掴むために自分をコントロールしている人の下にしか来ない」と対談で語る。自分の何をコントロールしているか?。「四つある。言葉、友人など一緒に居る人、態度や身だしなみ、それから感謝と謙虚さ」。大谷翔平選手もその薫陶を受けた一人。高校1年時には目標達成シートを作り、目標を明確化して達成のため必要な要素を整理した。体力面や技術面のほか「運」の欄にはあいさつやごみ拾いも記す。渡米後も継続し、球場内のごみを拾う仕草は米国人にも好感を与えた。多くの専門家が二刀流は不可能と言った大谷さんを育てた。
今回の衆院選では与野党を問わず現金給付策公約の「バラマキ合戦」となった。限られたお金をどこに配るべきかの議論がなく、「広く薄く」という流れになった。経営学者のドラッカー(2005年没)は、『ばらまき国家は自由社会の基盤を侵食する。国民の代表たるものが、票を買うために特定の利益集団を豊かにし、国民を丸裸にする。これは市民のコンセプトの否定である』と。現金給付は、対象が広いほど、景気浮揚の費用対効果も下がるとされるが、政治家に戦う天使はいるのだろうか。
コロナ禍で34期連続増収増益を実現している企業がある。先週紹介した家具小売業大手の「ニトリ」だ。似鳥会長は「給与だけでなく、社員への教育にもドンドンおカネをかけています。上場会社の社員への教育投資は、1人年間で5万円弱だとされていますが、ウチはその5倍以上、年間で26万円ほど投じています。人材が命であり、今後も教育投資におカネを惜しむつもりはありません」と。
「お、ねだん以上」で知られ、家具・インテリア用品販売のニトリの創業者似鳥氏は、小学校の頃自分の名前を漢字で書けなかったという。営業も接客も整理整頓も全部苦手。「注意力が散漫なんで、人の言っていることをずっと聞けないんです。違うことを考えちゃうとか」。実は数年前、発達障害だということが分かったという。苦手を抱えながら、それでも、一代で売上高7千億円の企業を築き上げた。妻は「あなたは誰でもやれるようなことはやれないで、誰もやらないことがやれる」と。毎年9月は障害者雇用支援月間だがニトリは障害者雇用に積極的だとか。
明治安田生命保険-根岸社長の座右の銘は「有情活理」。「どんなに理屈が正しくても情が無ければ人は動きません。情があることで理は活きるのです。日本社会では “情” は絶対に大切。でも “情” だけだと、なれあいや惰性になってしまう。継続的な発展をするには “理” が必要です」と。自民党総裁選挙で党員や議員は、情と理どちらに重きを置くのだろうか。